【薬剤師解説】にがりとマグネシウムは何の違いがあるの?

【薬剤師解説】にがりとマグネシウムは何の違いがあるの?
  • にがりとマグネシウムはどう違うの?
  • にがりの効能は?
  • にがりにはどれくらいのマグネシウムが含まれているの?
薬剤師もえ

このような悩みや疑問に薬剤師がお答えします。

《この記事を最後まで読んで分かること》

  • にがりとマグネシウムの違い
  • にがりの様々な効能
  • にがりにアレルギーはあるのか
  • にがりの摂取方法
  • マグネシウムオイルでにがりは作れるのか

最近では、にがりの便秘改善や美容・健康維持の効果が注目されています。

特に美容・健康維持を気にされている方には有益な情報となっております!

目次

にがりとマグネシウムの違い

結論から申し上げて、にがりは塩化マグネシウムが主成分ですが、純粋な塩化マグネシウムではありません。

《にがりの定義》

にがりは食品衛生法で「粗製海水塩化マグネシウム」とも言い、「海水から塩化ナトリウムおよび塩化カリウムを分離して得られた、マグネシウム化合物を主成分とするもの」と定義されています。

つまり、「大部分はマグネシウム化合物(主に塩化マグネシウム)だけど、海水由来の他の成分(カルシウム・ナトリウム・カリウムなど)も混ざっているもの」ということです。

マグネシウムは人間の体に必須のミネラルの一種であり、骨の形成や体内の様々な代謝に関与しているとして、近年注目されています。

ただ現代の日本人は、食生活の変化によりマグネシウム不足になっていると言われています。

≪マグネシウムの働き≫

  • 骨や歯の形成
  • 筋肉の収縮
  • 神経伝達
  • 体温や血圧の調整

そこで、不足しているマグネシウムを補うために、マグネシウムを豊富に含むにがりが注目されているのです

食品にプラスしてマグネシウムを補給するには、サプリメントという選択肢もありますが、にがりとサプリに含まれるマグネシウムはどう違うの?どっちがいいの?と思いますよね。

にがりを選ぶポイント

結論、おすすめはこちら!

繰り返しですが、にがりは、海水から塩を採った後に残る液体で、主成分は塩化マグネシウムです。

さらにカルシウム・ナトリウム・カリウムなど、マグネシウム以外の成分も含まれています。

それに対してサプリメントなどに含まれるマグネシウムは、酸化マグネシウム・塩化マグネシウム・クエン酸マグネシウムなど様々な種類があります。

マグネシウム化合物はそれぞれ体内への吸収率が大きく異なり、塩化マグネシウムは特に体内への吸収率が高いことが知られています。

マグネシウムサプリの中では、酸化マグネシウムが主成分のものが最も手に入りやすいのですが、吸収率が低く、補給には向いていないと言えます。

それに対してにがりの主成分は、吸収率の高い塩化マグネシウムです。しかし、その濃度はメーカーの製法によって大きく異なります。

薬剤師もえ

つまり、同じ容量でもマグネシウム含有量が全然違うということです。

以上のことから、にがりとマグネシウムサプリのどちらを選択するとしても、ポイントを押さえて商品を選ぶ必要がありますね。

≪にがりを選ぶ時のポイント≫

  • 塩化マグネシウムの含有量が多い
  • 塩化ナトリウム(塩分)の含有量が少ない
  • 組成表示・原産地表示があるもの

サプリメントに比べてコスパも良いにがりですが、その名の通り苦味があります。

にがりを水で薄めて飲む場合でも、人によっては苦味が気になるかもしれません。

薬剤師もえ

実際に私も苦味が気になり、毎日続けるのは難しいと感じました。

ただ炊飯時や煮物に加えるなど、料理にプラスして使えば場苦味の影響を受けにくいです。忙しくてなかなか自炊できない…という方もいらっしゃるかと思います。

にがりとサプリメントは、ご自身のライフスタイルに合わせて選択すると良いでしょう。

にがりの効能

にがりは便秘改善、生活習慣病の予防、血流改善、ストレスケアなど様々な効果が期待できます。

ここでは、特に注目されている便秘やむくみへの効果について解説していきます。

気になるデメリットや注意点についても見ていきましょう!

にがりで便秘改善

にがりは便秘改善に効果があります。

にがりの主成分であるマグネシウムには、腸管内に水分を増やし、便の水分を増やして柔らかくする作用があります。

酸化マグネシウムや塩化マグネシウムをはじめとして、医療用の緩下剤として用いられています。

また、ストレスによる自律神経の乱れも、便秘の一因になります。

マグネシウムは自律神経のバランスを調整することでも、便秘に効果を示してくれます。

にがりでむくみ対策

夕方になると脚が重苦しく、靴下の跡がくっきり…。

特に女性では、ほとんどの方がむくみに悩まされた経験があるのではないでしょうか。

にがりはむくみの解消にも効果が期待できます。

疾患によって引き起こされるむくみもありますが、ほとんどは血液の循環が悪くなることが原因です。

特に脚は心臓より下にあるため血液が心臓に戻りづらく、ふくらはぎの筋ポンプ作用で血液循環を補っています。

しかし、デスクワークや立ち仕事で座りっぱなし・立ちっぱなしの状態が長時間続くと、ふくらはぎの筋ポンプが十分に働かなくなり、血液循環が悪くなってしまうのです。

血液循環を根本的に改善するには、運動などでふくらはぎの筋力をアップすることが有効です!

薬剤師もえ

そして合わせてにがり等でマグネシウムを摂ると効果的です。マグネシウムには血管を広げて、血流を良くする効果があります。

むくみ軽減におすすめしたいのが、にがりをお風呂に入れる「にがり温浴」です!

マグネシウムは保温効果が高く、体が温まることで全身の血流がアップし、さらに美肌効果や保湿効果まで期待できます。

忙しくて入浴時間をゆっくり取れないという方も、にがりを加えると短時間でしっかり温まることができますね。

にがりで下痢に?

上記のように、にがりに含まれるマグネシウムには緩下作用があり、多く摂ることで下痢のリスクがあります

日本のマグネシウムの推奨摂取量は一般男性で400〜420mg 、一般女性で310〜320mg です。

厚生労働省の調査では、1日に男性で120mg、女性で80mg程度のマグネシウムが不足していることが分かっています。

メーカーによってマグネシウム濃度には差がありますが、100mg前後のマグネシウムが摂れる量が1日の摂取目安となっていることが多いです。

ただ個人差が大きいので、便が緩くなるようであれば摂取量を減らしてください。

にがりは腎臓に悪い?

マグネシウムは通常体内で過剰になることはないですが、腎機能が低下している場合に、まれに高マグネシウム血症が現れることがあります。

健康な人の場合はマグネシウムをたっぷり含む食材をとっても、マグネシウムの取りすぎにはなりません。

その理由は、食物に含まれるマグネシウムの30〜40%ほどしか体内には吸収されず、仮に過剰になったとしても腎臓で排泄されるからです。

しかし、腎機能の低下により排泄能力が低下している場合や、便秘薬などで高容量のマグネシウムを摂取した場合、高マグネシウム血症が起こることがあります。

にがりアレルギーはある?

にがりでアレルギーを起こすことは極めて低いと考えられます。

アレルギーの原因となる物質をアレルゲン、または抗原と言います。

食物アレルギーでは、アレルゲンの多くがタンパク質を主成分とする食品です。

アレルゲンが私たちの体の中に入ってくると、そのアミノ酸配列によって認識され、その形にあった特異IgE抗体が産生されるようになります。

再びアレルゲンが体内に入ると、IgE抗体がくっついて、ヒスタミンなどの化学物質が放出されてアレルギー反応が引き起こされます。

薬剤師もえ

にがりのアレルギーについては詳しいデータはありません。

しかし、タンパク質がほぼ含まれていないと考えられるため、アレルギーが起こる可能性は極めて低いでしょう。

にがりマグネシウム含有量

市販されているにがりのマグネシウム濃度は、メーカーや製法によって実に様々です。

100ml中のマグネシウム含有量は、多い物は10000mgを超えるものもあり、少ない物は900mg程度です。

成分表示を確認し、1日にマグネシウム100mg程度が摂取できる量を目安に摂取しましょう。

各メーカーのホームページには、摂取量の目安やおすすめの摂取方法も紹介されているので、ぜひ参考にしてください。

にがり塩化マグネシウム濃度

にがりの主成分は「塩化マグネシウム」ですが、「硫酸マグネシウム」や「臭素酸マグネシウム」も含まれます。

そのため、成分表示は塩化マグネシウム含有量ではなく、マグネシウム全体の含有量となっています。

にがり飲む

にがりの摂取方法として、水ににがりを少量加えた「にがり水」が最も手軽な方法です。

コップ一杯(200ml)程度の水に、1日量の1/3程度のにがりを加えて飲むのが一般的です。

薬剤師もえ

苦味が全く気にならない方もいますが、薄めてもやっぱり苦味が気になる…という方は、お茶やコーヒーに加えて飲むと摂りやすいですよ。

個人的に1番おすすめなのは、味噌汁やスープなど汁物に加える方法です。

いずれにしても、摂取量の目安を守って、必ず薄めて飲むようにしましょう。

マグネシウムオイルをにがりで作れる?

マグネシウムは皮膚から吸収されやすいという特徴があることをご存じでしょうか?

マグネシウムオイル(スプレー)とは塩化マグネシウム水溶液のことで、皮膚に塗布することで肩こりやこむら返りの改善、保湿など様々な効果が期待できます!実際には油分は含まれておらず、塩化マグネシウムフレークと精製水を混ぜ合わせると、オイルのような感触になるため、このような呼び方をするようです。

マグネシウムオイルを手作りするには、基本的には塩化マグネシウムのフレークを用いるのですが、にがりを精製水で薄めて簡単に作る方法もあります。

にがりで作る場合は「にがり化粧水」と呼ばれることが多いようです。

にがり化粧水の作り方

にがり化粧水の作り方は簡単で、精製水ににがりを100対1くらいの割合で加えて混ぜるだけです。

注意点は、マグネシウムが不足しているほど肌にピリピリ感やしみる感覚があることです。

濃度が薄いほどにがりとしての効果は薄くなりますが、刺激を考えるとこのくらい(水100:にがり1)から初める方が良いとのことです。

顔に使いたい場合は、最初はにがりの割合を少なくし、様子を見て増やしていった方が良いでしょう。

化粧水として使用して、保湿や美肌効果が期待できます。

他にも、肩やふくらはぎなどに塗布してマッサージすることで、血行を良くしてコリを改善したり、筋肉痛やこむら返りを和らげる効果もありますよ!

また、頭皮にスプレーしてマッサージすることで頭皮の血流が良くなり、白髪や抜け毛のケアをすることもできます。

安価で作ることが出来るので、非常におすすめです!

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